米・英・伊・仏の60年代ヒット・ポップスの数々を日本の歌姫たちがキュートにカヴァー。60年代リアルタイム作品から90年代作品まで、時代を越えて蘇る名曲カヴァー・コンピレーション!! |
![]() (グレースノートより) |
60年代前半、ロカビリー・ブームがひと息ついた後、日本のポピュラー音楽シーンに台頭してきたのは、坂本九、弘田三枝子、中尾ミエ、森山加代子、伊東ゆかり、飯田久彦、九重佑三子といった若いポップス・シンガーたちであった。彼らは同時代のアメリカンTOP40のみならず、イギリス、フランス、イタリア等ヨーロッパの最新ヒットも貪欲に取り上げ、漣健児、みナみカズみ(のちの安井かずみ)、音羽たかしといった新進気鋭の作詞家たちが手がけた日本語詞でカヴァーしたレコードをリリース。ジャズ喫茶から、当時新しいメディアとして急成長を遂げていたテレビへと活動の場を広げて、お茶の間の人気者となっていった彼らが歌うカヴァー・ポップスは、従来の歌謡曲に飽き足らない全国の若者たちを魅了していったのである。
カヴァー・ポップスの全盛期は63年にピークを迎える。そして、ビートルズに影響されて自作自演にこだわったブルー・コメッツやスパイダース、シンガー・ソングライターの元祖とも言うべき加山雄三、荒木一郎などが台頭してきた66年あたりからは、カヴァー盤の制作も極端に減っていく。しかし、カヴァー・ポップスによって培われたビート感覚、洋楽センスは、当時のリスナーはもちろんのこと、その後の和製ポップスのクリエイターたちにも遺伝子のように組み込まれていることは間違いないだろう。
本CDは、そんなカヴァー・ポップス黄金時代に想いをよせて企画したもので、60年代ポップス名曲の日本人シンガーによるカヴァー作品を、リアルタイムのものから90年代まで様々な世代のヴァージョンを集めた構成になっている。女性シンガーの作品だけに絞ったのは、カヴァー・ポップス黄金期がそのまま女性アイドルの台頭した時代だったことからであり、アメリカン・ポップスだけでなく、英・仏・伊の楽曲にも重点を置いて選曲したのは、当時の日本のヒット・チャートの特性を考慮してのことである。
昨年秋にリリースされた竹内まりやの60年代ポップス・カヴァー・アルバム『Longtime Favorites』のルーツとも言える作品を集めた本CDを聴いて、かつて我が国に、海外の最新ヒット・ソングを日本語でカヴァーしたレコードが毎月何種類もリリースされ、TV、ラジオ等のヒット・チャートの上位をにぎわしていた時代があったことを思い出すと共に、珠玉のメロディー・ラインの宝庫とも言える60年代ポップスの魅力をぜひ再認識していただけたらと思う。
(text by 中村俊夫) (「CHRONICLE OFFICIAL SITE」より引用)
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